日本画家四宮義俊氏が監督デビューするオリジナル脚本長編アニメーション。
フランスのスタジオとの日仏共同制作作品。
第76回ベルリン国際映画祭コンペティション部門正式出品。
第77回カンヌ国際映画祭アヌシーアニメーションショーケースに選出。
上記のように公開前から期待値の高かった花緑青が明ける日にを観た感想を報告致します。
※少しネタバレ含みますので御注意願います
こんな映画だと思います
・映像体験を重視した作品
日本画のような色彩を感じ光の揺らぎを浴びるような、動く美術作品というような印象です。
脚本のロジックや整合性を追うよりも映像を楽しむような映画に思えます。
・断片的なイメージで構成された作品
細かい説明は少なく断片的なイメージ画で構成される部分が結構あります。
そのイメージ画に対して答え合わせはあまりない印象です。
観客ひとりひとりの感性に行間を読み解くことを委ねる、作家性の強いスタイルといったところでしょうか。
・現実を舞台にしながら、リアリティより寓話性を優先した作品
現実的なルールよりも伝統や信念といった抽象的な思いを象徴的に描くことを重視していると思います。
個人的な評価(※あくまで私の好みが基準となっている評価です)
総合評価:D
映画館で観る価値:C
ストーリー:D
キャラクター:D
映像:C
音楽:C
声優:C
作品の長さ:D
映画館リピート鑑賞確率:D
動画配信等で観る確率:C
友人鑑賞の推奨度:C
恋人鑑賞の推奨度:C
家族鑑賞の推奨度:E
感想
映画を観るにあたり何を重視するかによって評価は分かれると思います。
ストーリーを重視するか、映像からのイメージを重視するかですかね。
映像からのイメージをもとにその世界観を感じて同化していくことを好む場合、この映画は刺さると思います。
逆にストーリーを重視してその世界に入り込んでいく場合、あまり刺さらないと思います。
私は後者ですので、全体的にストーリ重視よりの見解になっています。
正直なところストーリーとしては構成と設定が甘く、少し深さが足りないかなと思っています。
評価の詳細
さてここからは前述の各評価項目に関して下記に詳細を記載致します。
映画館で観る価値:C
独特な映像表現です。
映像に力を入れている作品ですので映画館で観たほうがよい作品だと思います。
刺さる人には非常に刺さると思います。
ストーリー:D
ストーリー重視派としては物足りない印象です。
舞台は現実世界の延長線上にあると思いますが、そうなると設定として所々に疑問が生じてしまいます。
アニメ映画なのでこの作品の世界観の中では問題ないと割り切ってしまえばよいとは思っています。
そのあたりが現実を舞台にしながら、リアリティより寓話性を優先した作品と表現した部分です。
キャラクター:D
正直なところキャラクターの魅力に辿り着けませんでした。
個人的には視野の狭い若者の強すぎる私的な思いによるわがままに見えてしまっています。
まぁこのあたりは若者の心をとうに失っている大人の視点だからかもしれませんが・・・。
映像:C
独特の映像で前述のように動く映像作品として評価されると思います。
一方で、この作品の最大の見せ場というべき花火が上がるシーンがちょっと物足りなく感じました。
話の流れからポイントだというのは解っていたのでハードルを上げすぎたかもしれません、そのハードルを越えることはなかったかなという印象です。
話の流れ的に澄んだ夜空に大輪の花を咲かせる場面ではなかったのでそれもありますでしょうか、あえての演出とも思うのですが・・・。
音楽:C
それほど印象には残らなかったのが本音です。
ただし映像作品ですので音楽が前面に出て、よかったと思わせる必要はないと思っています。
声優:C
話題作への出演が多いふたりの初のアニメ声優挑戦ですが、問題なく作品にマッチしていたと思います。
作品の長さ:D
もう少し長くてもよいと思います。
その分断片的なイメージ画の部分の説明が欲しいと思います。
前述のようにイメージ画に対して、答え合わせはあまりない印象です。
観客ひとりひとりの感性に行間を読み解くことを委ねてしまっているため、観客なりの感じ方になってしまいます。
キャラクター項目でお伝えしたように、私のように大人の目線ではわがままな若者という読み取り方をしてしまいます。
そうではない部分ももちろんあって、登場人物なりの言い分はあるはずです。
その辺りの答え合わせがないため、ストーリー全体から伝わってくるものが弱いのではないかと感じています。
映画館リピート鑑賞確率:D
私は映像派ではないので、もう一回とはあまり思えていないです。
現状はもう一回観て深く考えたいとか、実はあそこがポイントだったとかは感じていないです。
動画配信等で観る確率:C
配信されて会員であれば観れる環境になればもう一回観てみようかなとは思います。
友人鑑賞の推奨度:C
恋人鑑賞の推奨度:C
自分で考えて行間を埋める作業が必要ですので、観終わった後に他人と答え合わせするのは有益だと思います。
作品のなかで答えが示されていませんので、どの意見も正解ですね。
家族鑑賞の推奨度:E
家族での視聴はお勧めしません。
世代間で感じ方が異なると思っています。
親子であればストレートに意見が対立するような気がします。
映画を観て対立はして欲しくないです・・・。
個人的な総合評価:D
私自身はストーリー重視派ですので一旦はこの評価とさせて頂きました。
今回の結論
まとめとして個人的には、ちょっと合わなかったかなという印象です。
この作品が刺さる人も、もちろんいると思います。
レビューサイトでは好意的な意見も多くあります。
それと私のような大人だから合わないのかもしれません。
現実世界の延長上にある世界観としては前述のように設定上無理がある部分が散見され、ちょっと入り込めませんでした。
その年齢の若者が4年間立て籠ってその生活はもうできないでしょ・・
冷静に考えて他のやり方あったと思うよ・・・
そもそも花緑青の説明が本編であまり触れていないよね・・・
おとな50人以上が台風の日に重機持ち込んで追い出す?
というようなことを思ってしまい、それを覆すような過去の出来事や想いが伝えられていない為、どうしても大人の目線で見てしまいました。
この辺りを含めてイメージ画から行間を埋める必要があるのですが、私とは別の解釈をする方々にとってはまた違った感想になると思います。
人それぞれの解釈によって印象が異なる、そういう映画だと思います。
最後に鑑賞をお勧めするとしたら・・・
映像重視の方にはお勧めですね。
観ておいた方がいい作品だと思います。
また大人の理屈を身につけながらも、若者の気持ちも忘れずに持ち続けている方にはそれぞれの想いをくみ取ることが出来ると思います。
私が劇場で観た映画ランキング
今回は5枚目の報告書ですのでランキングといっても、まだ数少ないですが・・・。
【3位】花緑青が明ける日に

